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矢倉沢往還  道中記

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J曽屋宿そやじゅく                          街道地図
善波峠を下った矢倉沢往還は入船橋を渡って緩い坂道を上り人馬継ぎ立ての行われていた
曽屋宿(旧曽屋村)へと入っていく。ここは平塚道と交わっていることから人馬の往来も多く、
十日市が開かれるなど物資の集散地としても大変賑わっていた。

 平成25年10月30日

善波峠を下ってかれこれ30分。金目川に架かる入船橋を渡ると馬頭観音などの「石仏群」(左)が柵の中に見える。道路工事などで邪魔になった石仏が集められたのだろう。

緩い坂道を上ると旧曽屋村に入るのだが、その入口付近に忘れ去られたようにポツンと立つのは道標を兼ねた嘉永4年(1851)建立の「庚申塔」(右)。

その先左側のバス停下宿の傍に「軽便みち碑」(左)が建てられており ちょっと手前には「軽便鉄道説明板」(右)も
それによると明治39年(1906)に馬車鉄道が開通。後に蒸気機関車となり、明治・大正・昭和の時代を走り抜けた軽便だったが、小田急電車の開通などにより昭和12年(1937)に廃止。

軽便鉄道 響きがいいね〜

宿場時代の面影が無くなってしまった曽屋宿だがバス停だけは「下宿・仲宿・上宿」(右)の三宿揃い踏み。 
バス会社ってのはありがたいね〜。

仲宿の古民家「宇山商事」(右)で見た木製のガラス戸がなんとも懐かしい。

 ここから平成25年12月9日

街道の奥に見える「上宿観音堂」(左)は寛政年間(1789〜1801)の創建と推定されている。本尊は行基の作と伝わる千手観音菩薩だが拝観出来るのは12年に一度の御開帳法要のときのみ。残念。 と思ったら掃除をしていた方から「写真なら見られるよ」と言う。さっそく見せていただいたのがこちらの写真。なんとも神々しい。

神社の横に真新しい「秋葉神社」(右)があるが こちらも寛政年間に静岡県の秋葉神社から御分霊を戴いて建立。その霊験はあらたかで関東大震災の折には火災の類焼を免れたのだとか。

街道に戻り緩い坂を下って「水無川」(左)に架かる秦野橋を渡り右へ曲って行く道が旧矢倉沢往還。
かつては大雨以外はほとんど水が流れていなかったという水無川だが今は僅かだが流れが。

秦野橋を渡った先は変化の少ない「坦々とした道」(右)が続き少々飽きてくる。

20分ほど歩いた先の交差点を左に曲ると路傍に「庚申塔と道祖神」(左)が。
道祖神には関東大震災のあった年、大正十二年(1923)と刻まれている。

街道に戻り数分、幼稚園の前に据えられた大石は「矢倉沢往還碑」(右)。碑内の古道解説を読むと、先ほど通った曽屋村と、この先の千村で人馬継ぎ立てを行っていたとある。千村も曽屋村と同じくらいに賑わっていたのだろう。

街道は次ぎの三叉路を右に曲がるのだが三叉路の中に「夫婦道祖神」(左)を発見。この夫婦、なんと酒を酌み交わしているのです。夫婦道祖神といえば信州・安曇野が有名だが矢倉沢往還にも結構多くの夫婦道祖神があることを今回の街道歩きで知った次第。これまで見てきた夫婦道祖神はこちら

渋沢に入り「稲荷神社前交差点」(右)まで来たら交差点を真っ直ぐ進む道が本道と呼ばれる江戸〜明治時代の街道。左へ曲る道が平安〜鎌倉時代の街道。ここをどちらへ行くかが思案のしどころだ。

この交差点は矢倉沢往還と小田原道の交わった場所。ここには「追分道標」(左)があったのだが、今は交差点を右へ曲がった神社脇に移設。寛政8年(1796)建立の道標で 刻まれている文字は「左 小田原 い々すミ 道」「右 ふじ山 さい志やうじ道 左10日市場 かなひかんおん道」「左大山道 願主富村 江戸屋喜平次」とかなり情報量が多い。
 コメント:い々すミ(小田原飯泉観音)  さい志やうじ(大雄山最乗寺)   かなひかんおん(平塚金目観音)

その先に見える大木は秦野市指定の天然記念物「稲荷神社の大公孫樹(イチョウ)」(右)。樹高25m、樹齢は400年だとか。

大イチョウの下にある大石は「大山道 矢倉沢往還碑」(左)。碑内の古道解説によると「ここは、東西に走る矢倉沢往還と南北に走る小田原道が交差した賑わった場所。旅籠も何軒かあった」。

碑の後ろは「国栄稲荷神社」(右)。由緒がないため詳しいことは不明だが神社庁のHPに「祭神は宇迦御魂大神・金刀比羅大神・菅原大神で、曲松の鎮守として崇められたものと思われる」とある。

稲荷神社前交差点まで戻ったら、まずは平安・鎌倉時代の旅人が通った道を辿っていこう。


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