楽隊の音がきこえてきた。
ジンタッ、ジンタッ、ジンタッタッ・・・・・・
ジンタの楽隊がやってきたのだ!
子どもたちは、小鹿のようにかけだした。
ジンタの行進は、となりの町の沼津から
三島の町へのりこんできた。
はなばなしい旗やのぼりを先頭に、クラ
リネットに、コルネット、大太鼓、小太鼓
という一隊で、そろって、白い羽根かざり
のついた赤いぼうしをかぶっている、
それが、町じゅうをゆすぶるような大き
な音で、あのなつかしの曲「美しき天然」
を演奏しながらくりこんできちゃのである。 |
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町なかに 富士の地下水 湧きわきて
冬あたたかに こむる水靄 |
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三島町へ行くと
道の両側に店舗が立ちならび、
町の中央に映画の常設館があって、
その前には幡旗(のぼり)がはためいていた。
私たち山村の少年たちは、
ひとかたまりになり、
身を擦り合わせるようにくっつき合って、
賑やかな通りをあるいた。 |
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