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旅人  日光御成道 道中記 御成道碑
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ついに幸手追分に到着。日光御成道踏破です。

幸手追分へ 街道地図
岩槻宿を出た御成道は県道65号を北上。わずかに残った杉並木、松並木を眺め、3ヶ所の一里塚を通過し(1ヶ所は所在確認できず)
街道せんべいを食べながら、あちらこちらと寄り道をして幸手追分まで4時間。ついに将軍御成道を踏破。

 平成19年9月8日

慈恩寺道道標黄金色に光る田圃慈恩寺橋を渡り県道65号を北上すると、ほどなく「是より右慈恩寺道」と刻まれた「慈恩寺道道標」(左)が建てられている。慈恩寺まで20分ほどの距離だが街道を外れたくないのでこのまま真っ直ぐに。

県道を20分ほど歩いた先の交差点を右に曲がって慈恩寺を目指したのだが かなり遠回りとなってしまった。慈恩寺へ行く途中の道路際に「黄金色に光る田圃」(右)があり もうすぐ刈り入れ。思わず1枚。

慈恩寺南蛮鉄灯籠「慈恩寺」(左)は天長年間(824〜34)、慈寛大師の草創というがその故事が面白い。
大師が日光山の頂上から李(すもも)の実を虚空に投ずると遥か彼方のこの地に落下し花を咲かせたので ここに一宇を建立したのが始まり、なのだとか。

本堂前に「南蛮鉄灯籠」(右)と呼ばれる変わった灯籠がある。 天正17年(1589)、岩槻城の家臣伊達与平衛房実が寄進したもの。そういえば日光東照宮には伊達政宗寄進の南蛮鉄灯籠があったっけ。

御成道杉並木宝国寺石仏石塔群街道に戻り5〜6分歩くと日光杉並木には遠く及ばないが「御成道杉並木」(左)。家光の時代に整備されたということだが今も両側合計十数本。

さらに数分、バス停・鹿室宿前にあったのは「宝国寺石仏石塔群」(右)。
コメント:石塔群は他所に移動され、今はありません。その宝国寺は将軍お休み処となった場所で、将軍はここから富士山を眺めながら旅の疲れを癒したのだとか。

お玉さま(庚申塔)手焼きせんべい店宝国寺から数分先の鹿室交差点左角に庚申塔の祠があるが地元の人は親しみを込めて「お玉さま」(左)。
子供が百日咳に罹ると親はこの庚申塔からお玉を借り子供にそのお玉で味噌汁を飲ませると治ったそうだ。お礼にもう1本お玉を付けてお返しすることから「お玉さま」と呼ばれるようになったのだとか。

街道をもう少し歩くと「手焼きせんべい店」(右)が突然現われる。お店の一角で焼いている正真正銘の手焼き。御成道を歩く旅人はここで土産のせんべいを購入。素朴な味がいいんだなー。

下野田一里塚秋だねー栗ですせんべい店から5〜6分歩いた先が「下野田一里塚」(左)。ここは左右そろっているという貴重な一里塚で写真は左側であるが道路反対側には少々小さいが右側も残っている。

ところで、連日35度近くの猛暑が続いているというのに自然界はもう「秋だねー」(右)。一里塚の近くに大きな栗が実っていました。そういえば あちこちで稲刈りも行われていたっけ。

この先もてくてくと。六地蔵があったり神社があったり、庚申塔があったりと、飽きない程度の街道歩き。
街道際の六地蔵鷲宮神社路傍の庚申塔道路際の庚申塔

西行見返りの松見返り松碑閻魔大王和戸橋を渡ったら真っ直ぐ行かず右に曲がって永福寺に寄り道を。山門前広場の端に立つのは「西行見返りの松」(左)。西行法師がこの地を去るとき庭の松を振り返り、振り返りしながら去っていったので 見返りの松。(今の松は三代目)

傍らに「見返り松碑」(左)も。

甲州街道を歩いた時によく見かけた「閻魔大王」(右)をここでも見たのです。山門脇の閻魔堂の中で。隣りには奪衣婆もしっかりと居ました。

下高野一里塚松並木街道に戻り5〜6分歩くと立派な一里塚があった。右側だけというのが残念だが現存の「下高野一里塚」(左)で御成道としては最後の一里塚。

御成道には「松並木」(右)も有りました。一里塚から10分ほどのところに松が2本あるが昭和30年ごろまでは両側が松並木であった。

馬頭観音道標琵琶溜井堰幸手追分に近づいてきた。丁字路の左側に馬頭観世音菩薩を兼ねた「道標」(左)が有りました。 刻まれている行き先は「右日光 左いわつき 道」。

この辺りは葛西用水路が街道に最接近しているが丁字路先に琵琶溜井堰の説明板が建てられており、その奥に「琵琶溜井堰」(右)を見ることができる。

田螺を抱えた狛犬ついに到着しました。「幸手追分」(左)。
日光街道を歩いた時もこの追分を通過したが方向が違うと景色もちょっと違うなー。

日光街道に合流して志手橋を渡った先に螺不動というお不動様があるが、ここの狛犬は子ずれならぬ「田螺を抱えた狛犬」(右)。狛犬と螺、変な取り合わせだね〜 だが待てよ、狛犬は神社、ここはお不動様、変だなー。説明板を読むと、ここは神明神社。神社の中にお不動様が祀られているのです。

この先は日光街道を通って日光東照宮へ。

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